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ディスクブレーキキャリパー界のダークホースとなるか。GROWTAC 「EQUAL」

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ディスクブレーキキャリパー界のダークホースとなるか。GROWTAC 「EQUAL」

ディスクブレーキキャリパー界のダークホースとなるか。GROWTAC 「EQUAL」

2022/03/17

GROWTAC(グロータック)という日本の自転車パーツメーカーをご存知でしょうか。4本ローラーが有名かと思います。
そのGROWTACから新作の機械式ディスクブレーキキャリパー「EQUAL(イコール)」がリリースされたんですが…

「EQUAL」 機械式ディスクブレーキキャリパーとしては、世界最軽量級の136g(ブレーキパッド含、フラットマウント)
カラバリは5色展開、画像はグレー

現在ディスクブレーキと言えばオンロードでもオフロードでも油圧式がメジャーです。少し前までは、ワイヤー式(以下機械式と表記します。)のディスクブレーキキャリパーもそれなりに市場に存在していたと思うのですが、どんどんと数を減らし、今となっては一部メーカーに少しだけ上位グレードの機械式が残っているくらいで、流通する機械式の殆どは廉価モデルです。ですので、多くのユーザーは機械式=下位グレード・油圧=上位グレードだと思っているかと思うのですが、そういうことでもありません。メカニカルディスクブレーキに良いものが(殆ど)無いのでそういった認識になっているのだと思います。

とは言うものの、「ブレーキキャリパー単体で見れば」油圧式ブレーキキャリパーの優位性は明らかです。ケーブルラインがどんなに過酷でも液体を押す以上、抵抗は増えませんし、握力が低くてもタイヤのグリップ限界近くまで制動力を引き出せます。ブレーキパッドがすり減ればピストンが自動でせり上がってきてブレーキの引き代を一定に保ってくれます。また、コンポーネントのグレード(価格)とブレーキキャリパーの性能があまり比例しません。(一例ですがカンパの油圧式ブレーキキャリパーはコーラスからスーパーレコードまで同一グレードの物です。)油圧式のデメリットも存在しますが、ブレーキ性能的には機械式の上位互換です。

読んでいて「ブレーキキャリパー単体で見れば」の部分が引っかかったと思いますが、油圧式ブレーキキャリパーのネガな面はレバー側にあると思っていて(個人の感想ですが)油圧ブレーキ+機械式変速のレバーって重たいんですよね。ハンドルの先端が重くなるとゼロ発進やスプリント等の加速行為がもたつきますし、ダンシングのテンポも取りにくく感じる人が多いと思います。大型のフロントライトを付けた状態の挙動の重ったるい感じが近いですかね?これを解決する方法は2つあって、1つ目は油圧+電動変速に組み替える事です。これについては「価格が高い」以外の問題点はあまり存在しません。ほぼ唯一のデメリットは「ボタンをクリックして変速するので操作している感覚が薄い」です。2つ目は、シフト・ブレーキともに機械式のレバーで機械式のディスクブレーキキャリパーを引く(リムブレーキキャリパーと機械式ディスクブレーキキャリパーはワイヤーの引き量が同じなので、レバーの兼用が可能です)ですが、前述したようにまともな機械式のディスクブレーキキャリパーが殆どないという根本的な問題がありました。

要するに、油圧ブレーキ+機械式変速のレバーの重量に我慢がならないが、油圧ブレーキ+電動変速のフィーリングも気に入らない、もしくは電動コンポーネントの金額に懐疑的だ。という層が、高水準な機械式ブレーキキャリパーを求めていた訳です。需要が生じているのは分かります。そういった物が世に出れば喜ぶ人がいるのも想像出来ます。ただ、かなりニッチです。大抵の人は我慢するか電動変速に移行します。お金と時間を掛けて開発しても回収できる気が全くしません。クラウドファインディングで新興メーカーや個人がやりそうな雰囲気のアイテムでしょう。

そんな油圧式ブレーキ全盛の時代に、機械式のディスクブレーキキャリパーを全力で開発し、市場に投入してくるなんて、割と正気の沙汰ではないと思います。正直、開発にかけている熱量が大きすぎて、場末のブログとはいえ私なんかが好き勝手書いていいのか…?と二の足を踏んでいたといいますか、これを書きたいか書きたくないかで言うと書きたくないのですが、逃げ出すのも癪なので頑張って書いてみています。(何と戦っているんです…?)

独⾃の縦軸カム⽅式を採用!

既存の機械式ディスクブレーキのほとんどは地⾯と平⾏に軸がある横軸ネジ式ですが、EQUALは独⾃の縦軸カム⽅式となっており、この構造によってワイヤールーティングが非常に素直になっているのが素晴らしいところだと思います。(画像の円柱状になっている部分が縦軸カム)近年のフォークブレード&フレーム内部をブレーキラインが通るフレームを、横軸式の機械式ブレーキキャリパーで組むと、どう考えても引きが重たいであろう急角度のラインになっていたりしますが、これも機械式ブレーキキャリパーの評価を下げる一因でしょう。フレームは油圧式を前程に開発されるものの、機械式の進化が止まってしまっている(何だったら10年単位で!)弊害だと思います。

油圧式ブレーキキャリパーのデメリットは、整備性の低さ。と言うと語弊があるかな…「整備環境の整えにくさ」じゃないかなと思っています。油圧式の整備自体は、ご自身で触られている方は実感されていると思いますが、イメージほど難しくはありません。作業工程が多いといいますか、時間がかかるだけで、手順さえ守れば誰がやっても平均的に仕上がります。(ワイヤー式は技量差が出ます)

なんだかややこしくなってしまいましたが、GROWTAC 「EQUAL」のご紹介でした!

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