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【インプレ】Shimano (シマノ) 105 Di2 R7100シリーズのお話。後編

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【インプレ】Shimano (シマノ) 105 Di2 R7100シリーズのお話。後編

【インプレ】Shimano (シマノ) 105 Di2 R7100シリーズのお話。後編

2023/06/18

後編です。
月・火の休みと月末のグループライドで、トータル250㎞前後走ってシェイクダウンしてきました。
結論から言いますと、挙動の鈍重さは完全に消え去りました。


以下、走行中に感じた事をその場で書き留めていたメモを清書し、箇条書き風にまとめたものです。

・乗り出しから挙動が全然違う。
ゼロ発進、巡行時、加速、どの状況においても交換前のようなパワーを吸われる感じがしません。

※人間の足はレシプロエンジンのような往復動に適していない為にペダリング毎にトルクムラが発生し、直進時にもバイクは僅かに左右に揺れています。
ペダリングのトルクムラを均してバランスを取るために、ライダーは無意識下で操舵を繰り返しています。
バイク全体の中でも、高く遠い位置にあるコントロールレバーが重いと揺れも大きく強くなるので、それによる疲労が看過できないレベルに達していたという事だと思います。

・ダウンストロークで強く踏むとトルクムラも大きく出て、それを均す事にもパワーを吸われるので、
踏み足の逆脚の重さをペダルから抜重する事を意識する、アップストローク主体のペダリングといいますか、足そのものの重さを乗せるだけのペダリングを多用していましたが、2年ぶりに踏みたい時は踏む自由が帰ってきたように思います。

・ディスクは電動&油圧かメカニカル&メカニカルがマストであるという主張の裏打ちが取れたのが嬉しいです。
コックピットが重たいのは絶対的にダメ。
シフトインナーとアウターの重さが消えたのも地味に貢献してそうです。

・重量のある内装専用ステムに対して懐疑的になりました。
得られるエアロと、重さから来る挙動の悪さの収支が悪い気がしてます。

・ハンドリングが軽い。
硬いシフトアウターの曲線が生む反発がなくなったからでしょう。

・FDやRDはおそらく、結構重くても平気。
完全無線はフレーム造形の自由と、組付け難易度の低下を目標とした作りかと思いますが、バッテリーを変速機に積むスラムの設計は合理的かも。

・フロント側が軽く、代わりにリア側が重たくなりましたが、ネガティブな感じはしません。
加速時にはリアも軽い方が良いけれど、巡航が始まれば大差ないです。
惰性で進まない登坂は加速を繰り返す動作になるので、登坂時を考えるともっと(質量が)軽いスプロケが欲しい気はします。
CS-R7100の11-34Tが361gと結構重たいです。CS-R8100の11-34でも345g・11-30Tであれば290g前後なので、34Tの歯そのものがズッシリと重いです。

そういえば、横風にも煽られにくくなりました。
画像のホイールは42㎜ハイトで、過去に使った事のある45㎜や50㎜よりもなぜか横風に弱いなという印象で、まあ、ディスクローターがあるからだろうなと思っていたんですが、レバーの重さが揺れを増幅していたみたいです。

ああ、スッキリした。
これで自信を持って言えます。
ディスクロードはDi2&油圧かメカニカル&メカニカルでしか狙った性能が出ません。

比較対象になりがちな以下の2パターンの完成車を選ぶ時の優先順位もハッキリしました。
優位 Di2シフト&油圧ブレーキにアルミホイールの完成車。
劣位 メカニカルシフト&油圧ブレーキにカーボンホイールが付属する完成車。

カーボンホイールがもたらす動力性能へのメリットよりも、重いコントロールレバーがもたらすデメリットの方が大きいと判断しました。
最終的なパーツ構成が同じになるにしても、後からコンポを組み直すよりホイール交換の方がコスパ、タイパともに上です。

続いて、Di2化でメリットを感じた点です。

・トリム操作がオート。

・シフトモード設定にもよりますが、ギア比の繋がりを意識した変速を乗り手が考えなくて良い。

・現在のギア比をサイコン上に表示できるので、ギア比を暗記しなくていいし、思い出さなくていい。

上記のように、頭を使う要素が減りますので、脳の空き容量が増えます。
結果、走行中はペダリング等の身体操作に思考のリソースを大きく割く事が出来るので、色々な動作に余裕が生まれます。

後は、定期的にシフトワイヤーを交換する煩わしさから解放されるのが地味に嬉しいですね。
消耗品の交換時期の管理はバイクが複数台あると非常に面倒ですので。

刷新されたブレーキキャリパーはクリアランスが拡充されていてパッドが擦りにくくなっていました。
新型のブレーキパッドは一部では賛否両論らしいですが、私としては音鳴りもしないし、制動の立ち上がりも好みでした。
ここは嫌だったとしても、品番の刷新の話でどうしようもないので良かったですね。

全体的に満足感の高いカスタムでしたが、11-34のスプロケは(質量として)重い&ギア比的にも使わなさそうという事で、RDだけはそのうちアルテと入れ替えて11-30で運用しそうな気がします。
(105のRDはリア側最小ローが34Tなんです。)
デュラグレードのスプロケットなら11-34Tでもチタン使っていて軽いんですけど4万円もします。

スラムの電動変速は完全無線、シマノは半無線で、残るカンパはどう来るかなと思っていましたが、新型EPSは完全無線と発表されましたね。
現行のDi2が発表された際に、シマノも完全無線にすれば良かったのにと思っていたのですが、開発インタビューを読んだところ、ディレーラーのサイズと電力の安定供給と信頼性を重視した結果との事。


1つのバッテリーで2つのディレイラーを動かす方がシンクロシフトとの相性も良いらしいです。
革新性と話題性よりも、安定性と信頼性を重視しているのが日本らしいなとも思いました。

さて、今回はShimano 105 Di2 R7100シリーズのお話でした。
もう少し手を入れたい部分があるので、追加で記事を上げるかもしれませんが、一旦終了とさせて頂きます。
長々とお付き合い下さりありがとうございました。

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