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【前編】 Shimano (シマノ) 105 Di2 R7100シリーズのお話 ウエムラサイクルパーツ

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【前編】 Shimano (シマノ) 105 Di2 R7100シリーズのお話

【前編】 Shimano (シマノ) 105 Di2 R7100シリーズのお話

2023/05/26

・はじめに
Shimano(シマノ) 105 Di2 R7100系 ディスクブレーキ仕様 電動コンポの導入記事です。
メカニカル油圧コンポで組まれたロードバイクの走りの鈍重さは、コントロールレバーの重量に起因する。結論として出ていますが、自身で体験&検証してみようという内容になります。

実証実験が目的なので、出来るだけコストを掛けずに105でいきます。
ちなみにR8100(12SPEEDの電動&油圧のアルテ)が定価¥284720(税込)
R7100(12SPEEDの電動&油圧の105)で定価¥212947(税込)
通常、組み替える場合は機能面の充実や重量面で比較すると、アルテグラ Di2 R8150を選択するのがベストだと思いますので、皆様にはそちらをオススメします。
私は人柱としての特殊な訓練を受けているので大丈夫です。(?)
ダイレクトマーケティングが過ぎますが、実店舗が遠い方向けに、弊社インターネット店からもお得なグループセットをご用意させて頂いております。
こちら

・経緯
2年前、「GIANT TCR ADV PRO1 DISC」を購入しました。メカニカル油圧のアルテグラで組まれたモデルです。当時は「コンポーネントはメカニカルで十分」と思っていたのですが…

乗ってみると挙動が重い。全ての動作でパワーが必要とされる感覚があって疲れます。結果、走行距離が伸びません。

セカンドバイクにする予定だった2018年モデルのFUJI SL3.1の方が走行距離が伸び、TCRの方がセカンドバイクと化している始末。

車重自体は重くありません、ペダルレスで7.4kg。
しかしながら、同程度の重量のリムブレーキ車と比べると動きが鈍重に感じます。
付属のホイールも42㎜ハイトで1450gと軽い部類で、ホイールは犯人ではなさそう。
サドルレールとハンドルをカーボンに置き換え、スプロケもサードパーティー製の軽量な物に替えてみたら
多少はマシになったのですが…何か根本的にアプローチの方向が違うんでしょう。

調べてみると、STI(デュアルコントロールレバー)の重量が悪さしているようです。

車体を左右に大きく振るダンシングやスプリントなどの動きで特に顕著ですが、直進時にもバイクは左右に振れていて、バランスを取る為にライダーは無意識に細かい操舵を繰り返しています。
(ペダリングのトルクムラから来るバイクの左右の振れにカウンターをあてるような動き)
使い慣れたST-9001は365gでST-R8020は554g、約190gの差があります。
フォークコラム中心から最も遠く高い位置にあるブラケット先端が片側95gずつ重く、ペダリング毎に大きく揺さぶられるのを修正し続けている…なるほど、いかにも疲れそうです。

ディスクブレーキ化が進んだのが2019頃から。
業界最古参のBianchiの創業をロードバイクの誕生日だと仮定すると、134年間の間ブラケットはそれなりに軽かったので、ブラケットの重さがこのような悪影響を及ぼすとは誰も想像しておらず、メカニカル油圧を選択したユーザー全体が戸惑っていたように思います。


流石に看過できなかったのか、メカニカル&油圧のコンポーネントのラインナップは短命でした。1世代しかなかったんじゃないかな?

今の状態からR7100系で組み替えると全体で167gの重量増加で、ブラケットが131g軽くなります。
ちなみにR8100系で組み替えると全体で23gの重量増加で、ブラケットが163g軽くなります。
重いのは殆ど11-34Tのスプロケ部分ですので、重量の回収は簡単そうです。
いずれクランクも変更したいですね、ROTORとかが良さそうでしょうか。

ロードバイクにおいて重いとキツい所はホイール・サドル・ハンドル・コントロールレバーで、
それ以外の所は重くても割と平気です。(軽いに越した事はないですが)
電動化はコントロールレバーの重量がFDとRDに置き換わる形となり、低重心化するメリットがあると考えています。
また、バイク全体に散らばっていたシフトインナーケーブルとアウターケーブルの重量はバッテリーと入れ替わりますが、バッテリーはバイク中心にあるので重量配分的に良いハズです。

※他にも、リムブレーキ用のコントロールレバーで引ける機械式のブレーキキャリパーで組むという解決策もあります。
機械式のブレーキキャリパーはそもそも高性能な物が市場に少なかった(というか無かった)ので理論上はいいけど物がない。
みたいな状況だったんですが、GROWTAC EQUAL(グロータック イコール)がゲームチェンジャーとなりました。
安価で軽く仕上げる事が出来るので、このセットアップは人気です。
お客様にも良くオススメしています。紹介記事

さて、とりあえず物は用意しました。
やってみましょう。
※ローターは使いまわすので買っていません。

・組付け
とりあえずバッテリーを充電します。
満充電まで1時間半くらいです。スマホにE-TUBEアプリもダウンロードしときましょう。

バッテリーにRDを繋いだ状態で2ポ-ト空いているので左右のSTIレバーを有線接続して、E-TUBEからファームウェアを更新しておきます。
レバーは無線なのがウリですが、ファームウェアは有線接続しないと更新できません。なんでだ。
レバー側のポートはブラケットの前側です。フードの前からめくりましょう。
FDは組付け後でも出来ますが、まとめて更新しておきます。
次回以降ファームウェアの更新はシートポスト引っこ抜いて有線で繋ぐ事になる為、エレクトリックワイヤーは長い物をもう1本持っていても良いかも知れません。

レバー内側のQRコードをスマホのカメラで読み、E-TUBEアプリ上でマスターユニットであるRDとペアリングします。
12SPEEDのDi2からジャンクションAとワイヤレスユニットがRDに統合されました。
RDに何もかも詰め込みすぎとも言われてましたが、逆にRD以外はどこにしてもダメな気がするんですが…
FDが大きいとリアタイヤと干渉しますし、コントロールレバーを重くするのは本末転倒。
オンロードにもシャドータイプを採用するようになってからRDを打つことは少なくなりましたし、打ったとしても軽微なダメージに留まる場合が多いです。
※今回は有線接続した為、その時点でペアリングされるハズです。
購入時に最新のファームウェアであればここからのセッティングになりますね。

FDの取り付けは従来のモデルと同じです。
取り付け高さ:羽根とアウターチェーンリングの歯の間に1 ~ 3 mmのすき間をとって調整。
取り付け角度:羽根の後端が前端より0.5 ~ 1 mm内側になるように固定。
サポートボルトで羽根とアウターチェーンリングの面を水平に揃えて完了。

トップ側の調整はアウターローの状態に変速後、チェーンと内プレートとのすき間を0 ~ 0.5 mmになるように物理ボルトで調整。
※アルテとデュラはトップ側の調整の為の物理ボルトが存在せず、アジャストモードで調整するようです。
FD-R7150はコストの関係で一世代前のデュラのFDの構造を流用している為にこういう仕様のようですね。
前の世代のハイエンドに使っていた技術を下ろしてくるトップダウン方式の良い点は、トラブルシューティングが出来上がっている所で、それは105の利点かもしれません。
ロー側の調整はインナーローの状態に変速後、アジャストモード(ファンクションボタン2秒以上長押し、LED黄色点灯)で調整、アプリからでも可能です。

RDの取り付けの注意点として、ハンガーの爪との位置関係はココ(画像参照)です。
続いてエンドアジャストボルト(旧Bテンションボルト)を調整して、最大スプロケットとガイドプーリーとのすき間を、今回は34Tなので10㎜とります。
RDを買うと専用のツールが付いてくるので楽ちんです。
変速調整はアジャストモードからでも、アプリからでも。
今までと同じ、5段目に合わせてカチカチするアレです。
最後に、ロー調整ボルトとトップ調整ボルトをストッパーに当たるまで締め込んで終了です。
(トップ側は半回転戻します。)

ブリーディングは両手が塞がる為に写真をあまり撮っていませんが、1世代前と比較して非常に作業しやすくなっています。
ブリードニップルには7㎜スパナではなく3㎜アーレンでアクセスするようになりました。最高。

とりあえず形になったので試走&ブレーキパッドの慣らしライドに出ましょう。

長くなったので今回はここまで。

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